【茅野市土石流災害】プロの技術で災害支援! 重機を操り、被災者の心に寄り添うボランティアチームがすごい。

こんにちは、諏訪旅編集長のおいちゃんです。

長野県茅野市、宮川高部地区で土石流災害が起きてから2ヶ月近くが経ちました。この災害で、建物10棟が全壊。長野県と茅野市は復旧まで数年かかるとの見通しを出しています。

【茅野市土石流災害から1カ月】「待っているお客さんがいるから」信州サーモンを届ける有限会社ベルーフの奮闘。
【茅野市土石流災害から1カ月】「待っているお客さんがいるから」信州サーモンを届ける有限会社ベルーフの奮闘。
2021年9月5日、長野県諏訪地域で起きた局地的な豪雨により茅野市宮川高部地区で土石流が発生し、建物10棟が全壊するなどの被害が出ました。 高部地区で信州サーモンを販売している食品加工卸業「ベル … 続きを読む

そんな中、前回取材させていただいたベルーフさんから「すごい人たちが来てるから!!」と呼ばれて再び高部地区を訪れました。

日本全国から、ボランティアで復旧活動を行っている人たちがいるというのです。ボランティアといえど、プロの技術を持ち、重機を操って土砂の撤去などを進めているとか。

どんな人たちが、どんな思いで災害支援を行っているのか。お話を伺ってきました。

プロの技術を持ったボランティア「DRT-JAPAN」

ベルーフさんより「とにかくすごいから来て」とのことで言われるがままボランティアさんたちの休憩場所に伺うと……

DRT-JAPAN主宰 黒澤さん(通称クロさん)(中央)

ちょっとコワモテのイカしたおじさまたちが!

はじめまして! みなさんはどういった団体なんですか?
団体っていうか、変人の集まりだね。みんななんとなく連絡を取り合って、集まってきてるだけ。

え、どういうこと……? と戸惑っていると、「この辺の団体を調べてくれたらわかるよ」とこちらのステッカーを見せてくれました。

いやステッカー多いわ!笑

「DRT-JAPAN」facebookページによると

DRT-JAPANは組織化された団体ではなく、災害発生と同時に同じ志をもった有志によって連絡を取り合い、状況によっては現地に拠点を確保し、災害ボランティアセンターや他の団体等と協調し連携し合いながら行動することを旨とする、緩やかなネットワークです

とのこと。

茅野市の支援の様子もfacebookページで発信されていました。

各団体で県の社会福祉協議会などと災害協定を結んでおり、災害が発生すると主催者に連絡が入るそう。
個人ではお互いに連絡を取ったり、facebook投稿を見て災害現場に駆けつけるとのことです。

本業の技術を活かし、被災地に貢献

この日のメンバーのお一人、岐阜県にお住まいの青山さん(通称トオルちゃん)。

東日本大震災をきっかけに災害ボランティアをはじめ、今でも被災地の子どもたちとキャンプをするなど交流を続けているそう。

災害ボラの車は岐阜ナンバーが多いんだ。トオルちゃんがみんなの車の世話をしてあげているから。

青山さんの本業は車屋さん。ボランティアメンバーの車の用意からメンテナンス、車検などを請け負っているとのこと。
「みんなお金をくれなくて困っちゃうんだよ」と言いつつ、「自分にできることはしたい」と青山さん。

はじめは石巻で畑を耕し、花を植える活動をしていました。それから気がつけば日本全国に行くようになった。
災害ボラの世界でよく言うけど、「出口のない入り口に入っちゃった」「つくあてのない舟に乗っちゃった」って感じだね(笑)

三重県にお住まいの山本さん(通称ヤマキさん)も、災害ボランティアの常連メンバー。

アウトドアコンロでお湯を沸かし、コーヒーをいれてくださいました。

ヤマキさんは建設業を営む社長さん。重機のプロということで、ご自分で作業をすることはもちろん、災害ボランティア向けの重機講習なども行っているそう。

ボランティアは無償のことが多いと思うのですが……本業でやればお金がもらえる作業を、お仕事を休んでまでボランティアでする理由はなんでしょうか?
技術を提供して「ありがとう」と言われる。金銭的な対価があるかどうかの違いはあるけど、基本的に「仕事」ってそういうものだと思うんですよ。
困っているところ、必要とされているところに、自分の技術をできる範囲で提供しているだけです。

ボランティア=自由意志

お話していると、誰が声をかけるわけでもなく、アラームが鳴るわけでもなく、ふっとみなさんが立ち上がって準備を始めました。時計を見るとぴったり13時。

さっとチームに分かれて現場に移動します。

チームワーク抜群のみなさんですが、災害現場以外で顔を合わせることがないため、お互いのプライベートはもちろん、その日どこで寝泊りしているかも知らないそう。
みなさんそれぞれに宿泊場所を確保し(車中泊という方も)、時間になったら集合して、時間になったら解散。

災害支援も、誰かに指示されて行くのではなく、すべて自発的な行動です。
ボランティアの語源は「自由意志」を指すラテン語”voluntus”だと言われますが、お話を伺ったみなさんは、まさにボランティア精神を体現されている方たちだと感動しました。

かっこいい……かっこよすぎる……

地震や台風、豪雨など毎年のようにどこかで災害が起こっています。
被災地の復興をお祈りするとともに、日本全国から駆けつけているボランティアの方々のことも心に留めたいと思います。

ぜひ以下のページもチェックしてみてください!
DRT JAPAN:https://www.facebook.com/drtjapan/
OPEN JAPAN災害支援:https://saigaishien.openjapan.net/
DEF 災害エキスパートファーム:https://www.facebook.com/DEF.TOKYO/

ライター:おいちゃん

信州松本生まれ、10歳から東京渋谷育ち。カルチャーショックを受け、小学生にして将来は地方移住することを念頭に生きる。大学卒業とともに縁あって茅野市に移住。諏訪旅1人編集部の編集長。

               

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