みなさんは、諏訪エリアに本州最大の黒曜石原産地があるのをご存じでしたか？　長野県下諏訪町にある、縄文時代の黒曜石採掘遺跡・星ヶ塔遺跡です。約3.5万平方メートルの敷地に、縄文前期から晩期までの黒曜石採掘跡が193か所も分布していることが明らかになっています。

かつての人々はここで原石を採掘し、山麓で商品として加工して、全国的に流通していたそう。縄文時代の資源開発と流通を考えるうえで極めて重要な遺跡として、2015年には国史跡にも指定されました。

立ち入り禁止の秘境遺跡で“黒曜石”に出会う旅

そんな星ヶ塔遺跡を見学できる日帰りのツアーが、毎年下諏訪町にて行われています。今年の開催は、7月27日、8月3日、8月16日の3回。特別な許可がないと立ち入ることのできない秘境遺跡をじっくりと見学・散策することができます。

案内してくれるのは、この遺跡の発見・発掘者でありブラタモリにも出演した、黒曜石のスペシャリスト・宮坂清さんです。ツアーの最初は、星ヶ塔遺跡の 採掘坑ジオラマや町内の出土品を展示している星ヶ塔ミュージアムの見学からスタート。黒曜石をめぐる古代の人々の暮らしや交易の軌跡を知ることで学びを深めます。

そのあとは実際に星ヶ塔遺跡の現地へと向かい、マイクロバスがやっと1台通れるような林道を走り抜け、バス到着後は歩いて山へ。いたるところに散らばっているキラキラとした黒曜石のカケラを探しながら、舗装されていない道をトレッキングポールでゆっくりと歩いて行きます。星ヶ塔遺跡の黒曜石は、縄文人がこぞって求め全国各地へと流通するほど質が良く、透明でキラキラとした輝きを持つのが特徴。実際に触れてみるとその透明度に驚きますよ。

宮坂さんから遺跡の解説や発掘の裏話を聞きながら、数千年を遡る貴重な鉱山跡で過ごす時間。縄文人が黒曜石を採掘していた様子を思い浮かべ、縄文文化に触れてみてはいかがでしょうか。

[ 【日帰りプラン】許可なしでは入れない 黒曜石の宝庫「星ヶ塔遺跡」]