1998年、諏訪湖のほとりに開館した「諏訪市原田泰治美術館」。諏訪市出身の画家・原田泰治さんが長年にわたって制作した作品を展示しています。
詩情豊かな“原田泰治の世界”を核に、ナイーブアート(素朴画)の世界へと発信する拠点として、地元の方はもちろん、県外からもたくさんの人が訪れている場所です。
そんな諏訪市原田泰治美術館にて、現在ふたつの企画展が開催中。「原田泰治 素朴画の世界『紙ふうせん』原画展」と「原田泰治と見る 建物と暮らし」です。
季節の移ろいを感じる作品集『紙ふうせん』の世界
素朴なタッチの絵と文で、まるで絵本のような可愛らしい作品集『紙ふうせん』。収録された多くは、自身の幼少期の思い出が色濃く描かれた初期作品で、初版から43年経つ今も愛され続けている作品です。
この企画展では、その貴重な作品から約30点を原画とピエゾグラフにて紹介。現地への取材を行い描かれた80年代以降の作品とはまた違った、心象風景のような魅力が溢れています。
幼少期の原田さんが、縁側でおばあちゃんと紙ふうせんをポーン、ポーンと打ち合う情景が浮かぶ作品たち。軽やかな音は、長かった冬をぬけだした雪国の春の足音のよう。
心あたたまる絵と文とともに、ページをめくるたびに季節の移ろいを感じる世界観に浸ることができますよ。
原田泰治の目を通して描かれた“建物と人々の暮らし”
全国各地を取材をしながら、日本のふるさと、美しい日本のこころを表現し、作品を手がけてきた原田さん。一見可愛らしくデフォルメチックになっている原田さんの画風ですが、決して記号的なものではなく、描かれている建物や人は写実的な面を持ち合わせています。
この企画展では、そんな原田泰治作品にもう一歩深く踏み込み、建物と人々の暮らしにフォーカスを当てて50点の作品を紹介。作品からは、住む環境によって、それぞれの場所で暮らしやすいようにと営んできた先人の知恵を感じ取ることができます。
画家・原田泰治の目を通して描かれた住宅、石垣、乗り物、その季節ならではの風景など、さまざまな暮らしの様子を楽しめる展示となっています。
開催期間は8月31日までですので、ぜひ会期中に遊びに行ってみてください。
[諏訪市原田泰治美術館 企画展]
- 開催期間
- 〜2025年8月31日(日)
- 時間
- 9:00〜17:00(入館受付=16:30)
- 休館日
- 月曜(祝日は開館)
- 場所
- 諏訪市原田泰治美術館(長野県諏訪市渋崎1792-375)
- 料金
- 大人=840円、中・高校生=410円、小学生=200円、障がい者(大人)=410円
- 詳細ページ
- https://www.taizi-artmuseum.jp/