長野県岡谷市のリンゴ園のなかにある「小さな絵本美術館」。その分館として建てられた、もうひとつの美術館が八ヶ岳の麓にあります。高原エリアの原村にある「小さな絵本美術館 八ヶ岳館」です。
絵本を原画で読める場所
絵本作家のさとうわきこさんによって創設されたこの美術館では、絵本原画・絵画・古い絵本などのさまざまな展示に加え、絵本が自由に読める図書室や喫茶スペースでゆっくりと時間を楽しむことができます。
絵本美術館の魅力は、なんといっても“絵本が原画で読める”こと。印刷された絵本では味わえないような、原画ならではの魅力を感じられるんです。原画を眺めていると、絵のタッチや洗練された色彩の豊かさ、線の細かさ、躍動感、その絵に込められた思いが伝わってきます。お話の文章もいっしょに展示されているので、絵を見ながら絵本も読み進めることができますよ。
そんな絵本美術館にて、秋の企画展「「ネズミの冒険」シリーズ10周年×小さな絵本美術館35周年」が、9月13日からはじまります。
世界62か国を超えて愛される人気の絵本原画を展示
2014年、ドイツ生まれのひとり若い学生が生み出した、小さなネズミの冒険の物語。今では、日本のみならず、35か国以上62か国を超えて出版され、10年という年月にわたって愛され続ける人気シリーズとなったのが、ドイツの絵本作家トーベン・クールマンによる「ネズミの冒険シリーズ」です。
今年は、シリーズの第1作目であった『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』が日本で刊行されてから10周年。これを記念して行われるのが今回の企画展です。
会期中は、10周年を記念してデビュー作である『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』から全点の原画を展示し、これまでに出版されてきたシリーズからも表紙絵を含む原画が10数点ずつ展示されます!
なかでも、日本で今年発売されたばかりの最新作『アメリア 空飛ぶ野ネズミの世界一周』の原画は全国で初めて。全国初となる貴重なお披露目の展覧会です。
また、2023年にドイツで刊行された、ひとりの少女が灰色の街に色を取り戻す描きおろしの物語『Die graue Stadt(英題:The Gray City)※未邦訳』も、表紙を含む10数点を展示。「ネズミの冒険」シリーズにとどまらない、クールマンさんの作品の魅力を体験できる企画展となっています。
トーベン・クールマンさん来日イベントも開催!
さらに、10月18日、19日に開催される「絵本セミナー2025」では、なんと、クールマンさんの来日イベントも! この原画展の開催に合わせてドイツから来日し、絵本の創作秘話や、子どもの頃のお話、ひとつの絵本の場面に込めた思いなど、ご本人から色々なお話を聞くことができます。
そのほかにも、『もりのおくりもの』シリーズ・『ぼくはびょうきじゃないよ』の絵本作家・垂石眞子さん、『もりのおくのおちゃかいへ』の絵本作家・みやこしあきこさんなど、豪華な講師のみなさんといっしょに、講演会、コンサート、サイン会、宿泊、食事会などなど、さまざまな企画が用意されていますよ。
小さな絵本美術館創設者の故・さとうわきこさんの願いとともに、「ネズミの冒険」シリーズ10周年と小さな絵本美術館35周年を記念して行われるこの企画展。ぜひ会期中に足を運んでみてください。
[「ネズミの冒険」シリーズ10周年×小さな絵本美術館35周年]
- 開催期間
- 2025年9月13日(土)〜11月30日(日)
- 時間
- 10:00〜17:00(入館=閉館時間の30分前)
※11月は16:30まで - 場所
- 小さな絵本美術館 八ヶ岳館(長野県諏訪郡原村原山17217-3325)
- 料金
- 一般=1.000円、中高生=300円、小学生=200円、幼児=無料
- 休館日
- 火・水曜
- 詳細ページ
- https://www.ba-ba.net/企画展-1/
[絵本セミナー2025]
- 開催日
- 2025年10月18日(土)〜10月19日(日)
- 場所
- アルソア女神の森 シンフォニアガーデン 招福ホール陽陽 (山梨県北杜市小淵沢1578)
- 詳細
- 詳細は後日HPにて