【諏訪の地酒と季節のつまみ】
キンキンに冷やした『真澄 すずみさけ』を夏野菜と

信州・諏訪。四方を山に囲まれたこの土地は、霧ヶ峰を源とする伏流水と冷涼な気候を活かし、古くから酒造りが行われてきました。

【諏訪の地酒と季節のつまみ】は、諏訪の日本酒・地ビールを、蔵元の方がおすすめする飲み方で楽しむ連載です。特色豊かな諏訪の酒を、時期折々に適した飲み方で。諏訪の自然と季節を感じる、おいしい時間をご提案します。

真澄『すずみさけ』

今回ご紹介するのは真澄の夏の限定酒 純米吟醸『すずみさけ』。

分類:純米吟醸酒
原材料名:米、米こうじ
米の品種:長野県産 美山錦 長野県産 ひとごこち
精米歩合:55%
アルコール:14度
飲み方:◎冷酒・〇常温・×燗酒
保存方法:冷暗所

真澄蔵元の宮坂勝彦さんに、おすすめの飲み方を聞きました。

宮坂 勝彦
1985年長野県諏訪市生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社 伊勢丹(現在の三越伊勢丹)へ入社。二年間の丁稚奉公の後、欧州で四ヶ月間のバックパッカー旅行をし、ヨーロッパ各地の食文化を学ぶ。
帰国後は家業である宮坂醸造株式会社へ入社。製造部に配属され、清酒の製造を現場で学ぶ。
【真澄】の米国と英国における販売代理店である【World Sake Imports】にて、出向研修を行い、2013 年に帰国後は、宮坂醸造株式会社の企画部にて、商品・イベント・販売戦略・PR の企画などにたずさわる。趣味はトレッキング。

 

ほのかな酸味がアクセント。軽快で爽やかな口当たり

ーー『すずみさけ』はどんなお酒ですか?

宮坂さん:『すずみさけ』は「夏の高原に吹き抜ける透明感のある空気、生命力に満ちた草花の佇まい」をイメージした一本です。まさに諏訪・八ヶ岳のさわやかな高原を感じさせる夏酒になっています。
特徴は、白麹由来のほのかな“酸”です。

ーー“酸”ですか。

宮坂さん:白麹はレモンや梅に含まれるクエン酸を多く出します。日本酒に使われることはあまりありませんが、白麹によって柑橘を感じさせる軽快でさわやかな口当たりになっています。

日本人の食卓はこの30年で大きく変化し、肉や揚げ物などの油を多く含む食事が増えました。今の時代に合う酒を考えたときに、油を洗い流すような、酸味のある酒をつくりたいと思ったんです。7号酵母*と白麹がつくり出す酸と甘み。3年間の試行錯誤を経て、やっと納得のいくバランスに仕上がりました。 (*1946年に真澄諏訪蔵にて発見された清酒酵母。優良な酵母として現在も全国の酒蔵で使用されている。)

ラベルも高原をイメージさせる。流れるような「すずみさけ」の字が涼しげです。

宮坂さん:味以外の特徴は、常温で保存できることです。以前は生酒を夏の商品として打ち出していましたが、生酒は冷蔵保存しないとすぐにダメになってしまいます。故に商品の発送もクール宅急便で行っていました。しかし今の時代、冷蔵のために大量の電力を使い続けることは健全だろうか、と思ったんです。
我々の酒造りは、水や米という自然の恵みがあってこそ。自然環境への負荷を最小限にし、未来により良い形でつないでいきたいと考えています。

今、夏酒に限らず真澄全体の商品・コンセプトを見直しています。酒造りを通して、人と人、人と自然を結ぶ存在でありたい。先人がつくりあげてきたものを重んじつつも、改革を恐れず、常に前進する姿勢を持ち続けたいと願っています。

ーーおすすめの飲み方と合わせる食材を教えてください。

宮坂さん:『すずみさけ』はぜひキンキンに冷やしてお楽しみください。グリルした肉や野菜など、夏のバーベキューにぴったりです。レモンをかけて食べる揚げ物や、夏に身体が欲する酢を和えたもの、甘みが強い食材にもよく合いますよ。
真澄の使命の一つは、良質な食中酒を造ること。7号酵母は、食事をじゃましない穏やかな香りと味わいの酒を醸し出します。新しい夏の定番として、真澄『すずみさけ』を味わっていただけたら幸いです。

飲んでみた

ということで、お酒大好き・諏訪旅ライター及川が飲んでみました。

メニューは
・ワカサギの南蛮漬け
・ナスとピーマンの炒め物
・八ヶ岳生トウモロコシ

感想は……

なるほど〜〜〜“酸”ってこういうことか〜〜〜〜!!! なるほどなるほど〜〜〜!!! 甘酸っぱいワカサギの南蛮漬け、多めのごま油で炒めた苦うまナスピーマン、そして糖度20度、メロンより甘い八ヶ岳生トウモロコシの魅惑のトライアングルをスーーーーッと流してくれる『すずみさけ』。あれ、もしかして食事は割となんでも合うんじゃない? 良い意味で主張しすぎない味と香り。洋食やエスニック料理でもいけそう。スキッとかキリッとか日本酒のおいしさを表現する言葉はいろいろあるけれど、「キラッ」て感じ。第一印象「キラッ」、後味「スーーーーー」。キラッ、スーーーーー、キラッ、スーーーーー……で永遠に飲めてまう! 飲み過ぎ注意!!

でした。(やや飲み過ぎました)

ちなみにワカサギの南蛮漬けは真澄公式youtube を参考にさせていただきました。社長ご夫妻の掛け合いが和む。。ぜひチェックしてみてください。

まだまだ暑さが続きそうな今年の夏。キンキンに冷やした『すずみさけ』で暑気払いはいかがでしょうか?

SPOT INFORMATION

宮坂醸造株式会社 (真澄/みやさか蔵元)

寛文2(1662)年創業。品評会で抜群の入賞歴を残すとともに、優良な清酒酵母として全国の酒蔵で使われている『協会7号』酵母の発祥蔵としてもその名を馳せてきました。

住所
長野県諏訪市元町1-16
電話番号
0266-52-6161
営業時間
蔵元shop Cella MASUMI
午前10時~午後5時
定休日
水曜日
8月無休
交通
JR上諏訪駅より徒歩15分 諏訪ICより車で10分
詳細ページ
https://www.masumi.co.jp/