長野県富士見町、八ヶ岳の麓にあるコワーキングスペース「富士見 森のオフィス」。
働く場として地域内外の個人や企業に利用されているほか、地域のコミュニティスペースとしてイベントや講座などを積極的に行ってきました。
そんな富士見森のオフィスが、2020年から始めた取り組みが「GREEN COMMUNITY」。多種多様な人が集まる場であるコワーキングスペースとして、環境負荷に対する意識変革に取り組むというもの。
具体的にどんな取り組みを行なっているのか、見に行ってきました!
持続可能な社会のために、コワーキングスペースとしてできること
エントランスから入ると、早速こちらのボードが。
八ヶ岳山麓地域も気候変動の影響を受けていることを前提に、コワーキングスペースとして取り組んでいるエコ施策を紹介しています。
プラスチックゴミの削減&ペットボトル提供廃止
まず挙げられているのがゴミの削減。給湯スペースでは、お菓子が量り売りで販売されています。
ペットボトルの提供を廃止し、リサイクルしやすい瓶や紙パック飲料に。ガラス瓶は地元商店から購入し、飲み終わったものは回収してもらっているそう。
そもそも使い捨て容器を使わなくて済むよう、棚には会員さんのマグカップが並んでいます。
コーヒーフィルターもごみとなるため、ステンレス製のフィルターに。
キッチンカーやレストランによるランチの販売を行うこともある森のオフィス。
ごみを出さずにテイクアウトできるよう、リユースできるランチボックス「ARUPAKKE(アルパッケ)」の提供も始めています。
ごみの分別も徹底。生ごみはコンポストで堆肥化し、敷地内の土に戻しています。
ローカルプロダクトの購入/PR
おやつ関係でもう一つ気になったのがこちら。輸送時に排出されるCO2を削減するため、おやつに限らずオフィスに置くものはなるべく近隣地域のものを購入しているそう。
この日は京都市と山梨県北杜市に店舗を持つお菓子屋さん「swiss pastry,store」の焼き菓子がありました。八ヶ岳産地粉をはじめ、山梨や長野の素材を使ったお菓子です。
その他のオフィスで必要な備品も、順次環境に配慮した商品に切り替えているそうです。
オフィスから社会を変える
ごみの削減やリサイクルを意識すること、地域で作られているものや環境に配慮した商品を選ぶこと。ひとつひとつは小さな行動に思えますが、つい「楽」や「安い」を優先してしまうことも。
多様な価値観を持った人々が集まるコワーキングスペースで、エコ施策を推進していくのは実は勇気のいることなのでは……と思います。
人が集まる場所だからこそ、地球規模の課題に対し明確なメッセージを出し、実際に取り組みを進めている富士見森のオフィス。
地域の魅力の源である環境を守るためにも、小さな行動からでも変えていかないとな、と思わされました。
2021年6月からは一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンと連携し、コワーキングスペースやシェアオフィス向けのゼロ・ウェイスト認証を開始しています。
「GREEN COMMUNITY」のケーススタディを交えた研修サービスを、ゼロ・ウェイスト・ジャパンとともに提供。森のオフィスに併設された宿泊施設「森のオフィスLiving」を利用し、一泊二日のプログラムも用意されています。
興味のある運営者の方は、富士見森のオフィスまでお問い合わせください。
ライター:おいちゃん信州松本生まれ、10歳から東京渋谷育ち。カルチャーショックを受け、小学生にして将来は地方移住することを念頭に生きる。大学卒業とともに縁あって茅野市に移住。諏訪旅1人編集部の編集長。 |