諏訪大社のお祭りというと「御柱祭(式年造営御柱大祭)」が有名ですが、その他にも年間200以上の祭典が執行されています。
中でも諏訪大社下社の大きなお祭りとして、毎年8月1日に行われているのが「お舟祭(下社例大祭)」。2月1日に諏訪大社下社春宮にお遷しした御霊代(みたましろ)を、再度秋宮に遷座する夏のお祭りです。
御霊代を遷座する神幸行列に続き、翁(おきな)と媼(おうな)の人形を乗せた柴舟が曳行されることから「お舟祭(おふねまつり)」と呼ばれています。
御頭郷(おんとうごう)と呼ばれる祭りの担当地区の氏子数百人が力を合わせ、長さ10m、重さ5トンという巨大な舟を運びます。
例年はお舟の曳行に続いて「神賑(にぎ)わいパレード」が続き、前夜に行われる「宵祭り」でも氏子による伝統芸能の長持ちや神輿等のパレードが行われ、華やかな2日間となります。
令和3年は柴舟の曳行は中止
今年は令和2年に続き新型コロナウイルス感染症対策のため宵祭り、神賑わいパレードは中止に。柴舟の曳行はなく、代わりに翁と媼の人形を奉持する人を中心に、柴舟の形に見立てた隊列を組み春宮から秋宮へと進みました。
秋宮で遷座祭および例大祭を行った後、翁媼人形と御頭郷が神楽殿を3周し、神事相撲を行いました。
お舟祭で行われる神事相撲は「御霊鎮め(みたましずめ)」の意味があると言います。全国的に神事相撲は五穀豊穣の願いを込めて奉納されることが多い中、御霊鎮めの意味を持つ相撲は民族学的にも貴重なものだそう。
お舟祭ですが、曜日関係なく毎年8月1日に行われます。今年は柴舟の曳行はありませんでしたが、来年は本来の形でのお祭りとなりますように。
ライター:おいちゃん信州松本生まれ、10歳から東京渋谷育ち。カルチャーショックを受け、小学生にして将来は地方移住することを念頭に生きる。大学卒業とともに縁あって茅野市に移住。諏訪旅1人編集部の編集長。 |