2021年9月5日、長野県諏訪地域で起きた局地的な豪雨により茅野市宮川高部地区で土石流が発生し、建物10棟が全壊するなどの被害が出ました。
高部地区で信州サーモンを販売している食品加工卸業「ベルーフ」の木津さんも被害に遭った1人。生け簀の水を引く川が土砂で埋まる、設備が土砂に飲まれ故障するなどの被害を受けながら「待っているお客さんがいるから」と営業を再開しています。土石流災害から1カ月、現在の状況を伺いました。
土砂で埋まったままの水路。復旧まで数年の見通し。
長野県佐久市の養魚場から信州サーモンを仕入れ、活け締めにして販売しているベルーフ。生け簀の水を引いていた下馬沢川が土砂に埋まり、水がない状態が続いています。
災害時に生け簀にいた信州サーモンはすべて死んでしまったそう。現在は下諏訪町の大平から湧き水を汲み、毎朝入れ替えています。
木津さん「高部地区は高齢者が多く、住民だけで復旧作業をすることには限りがあります。なんとか掘り起こした水路も、時間が経つと砂や落ち葉で埋まってしまいます。水路が埋まったままだと今後大雨が降ったときにも心配です。」
災害から1カ月が経った今も、上流には大きな石や土砂が残っています。茅野市と長野県は復旧には数年かかるとの見通しを出しています。
88歳で一人暮らしをしているという別の住民は「避難所から帰宅したら家の中が泥だらけになっていて、言葉が出なかった」と言います。
家の前の道が土砂で高くなり、水路も埋まっているため、雨が降ると水が家の方に流れてきてしまうそう。玄関前に土嚢を置き、生活しています。
「お客さんがいるからがんばれる」活け締めにこだわり
「待っているお客さんがいるからがんばれる」と言う木津さん。注文が入ってからさばく“活け締め”へのこだわりは捨てられない、と生け簀が使えない間に入った注文は、佐久の養魚場まで取りに行くことで対応したそうです。
木津さん「被災後、いろんな方に助けていただいています。コロナで経営が厳しく、しばらく注文が途絶えていたホテルなどからも、何か助けになれたら、とまた注文をいただいたり。生け簀の水を汲みに行かせてもらっている下諏訪町大平の区長さんにも、水は誰のものでもないからどんどん持っていっていい、と温かい言葉をかけてもらいました。大変な中ではありますが、みなさんのおかげで踏ん張れます。」
被災しても質は落とせない、できるだけ良いものを届けたい、と奮闘している木津さん。「待っているお客さんがいる限り、続けていきたい」と語ります。
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