☑️年間200万食も食べられている餃子の秘密とは?
☑️魅力的な安ウマメニューの数々!
☑️元は旅館だった!? テンホウの歴史を解説
「ランチはどうする?」「とりあえずテンホウでしょ!」
移住してからそんなやりとりを多く聞きました。
「テンホウ…?」
神奈川生まれで、東京に長く住んでいた僕にとって「テンホウ」は初めて聞く名前でした。しかし長野県に32店舗あるテンホウは、地元の人たちにとっては当たり前の存在で、世代を超えて愛されるソウルフードでした。
地元の人たちが「今日はチャーメンかな」「いやいやテンホウメンでしょ!」と笑顔で語り合う姿を見て、まだ見ぬテンホウに憧れを感じ、早く地元の仲間に入りたい!と思ったものです。
初めて行った感想は「なるほど!なるほど!これはクセになりそう!」という感じ。それからというもの、週1回は訪れるリピーターになりました。
諏訪が発祥という中華食堂「みんなのテンホウ」。諏訪エリアに来たら絶対に味わっていただきたいお店です。
今回は、そんな地元に愛されるテンホウの楽しみ方をご紹介します。
※第2回目は『テンホウ工場に潜入!安ウマを実現した秘密に迫る!』です。
テンホウ工場に潜入!安うまを実現した秘密に迫る!(前編)
テンホウ工場に潜入!安うまを実現した秘密に迫る!(後編)
まずは、テンホウをよく知らない人も「これを知ればテンホウ通」という情報からお伝えしますね。
元は温泉旅館だった!?テンホウ
創業は昭和31年(1956年)、現社長の祖母・百代(ももよ)さんが、上諏訪駅近くにテンホウの前身である『天宝 鶴の湯 餃子菜館』を開店しました。そもそもは『天宝 鶴の湯』という名の通り、小さな温泉旅館を営んでいたそうです。
餃子菜館を始めたきっかけは、高度経済成長期に入り周辺に大型旅館が進出してきたこともあって、「太刀打ち出来ない」と判断したそうです。まずは旅館の玄関口で料理を販売し、評判になってくると旅館入り口の横に店舗を増設しました。
そんな百代さんの先見の明もあって64年後の現在、長野県に32店舗を構える一大チェーンになりました。
ちなみにテンホウという名前は、百代さんから引き継いだ初代社長(現社長の父)が、『天宝』をカタカナ読みにし、『(株)テンホウ・フーズ』という会社名にしました。
天宝には、「天から授かった宝物」という意味が有り、「地域社会になくてはならない店になる」という想いが込められていました。その想いは引き継がれ、地域に愛されるお店になったのです。
64年の歴史があるテンホウ、気になるのは創業当時のメニューです。果たしてどんなメニューだったのでしょうか?
餃子を諏訪エリアに初めて持ち込んだお店
テンホウで餃子を食べた人は分かると思いますが、一口食べると香辛料(八角など)の独特な香りがします。医食同源を目指した餃子はクセになる美味しさで、今では年間200万食も食べられています!
この餃子は創業当時から変わらぬレシピですが、ものにするまで随分苦労があったようです。
昭和31年、創業者の百代さんは、東京歌舞伎町にあった中華料理店の餃子の味に惚れ込み、どうにかその味を諏訪に持って帰りたいと思ったそうです。単身で飛び込みましたが…門前払いされました。それでも百代さんは諦めず何度も何度も通い、3ヵ月間無給で働き続けました。やがて頑張りが認められて、秘伝の餃子レシピを教えて貰ったそうです。
それにしても百代さんの行動力はすごいですね!その時、百代さんは50歳を超えていたと言います。
この百代さんが伝授された餃子が、諏訪エリアに初めて持ち込まれた餃子となりました。
地域の人たちには大変喜ばれ、繁盛したそうです。
当時のメニューは餃子、麺を炒めたチャーメン、タンメンがメインでした。意外ですが、醤油ラーメンが出てきたのはもっと後のことだそうです。
気になるのはその当時のお値段ですが…移転や、その後につくった工場の火災などで、資料は無くなってしまったそうです。残念…でも諦めきれないので、のだオバさん(僕)は推測してみました。
この餃子菜館からすぐ近くにあった『泉食堂』(※現在は『れすとらん割烹 いずみ屋』)のマッチのラベルが、『諏訪旅』ライター守矢正さんの手元にありました。
守矢さんの推測では「昭和32年以降のもの」ということでしたので、餃子菜館の開業と重なります。メニューには、ラーメン50円、焼ソバ100円とありますので、餃子菜館のメニューも開業当時は50円〜100円くらいだったのではないでしょうか…違うかしら?
当時のことをご存じな方がいらっしゃいましたら教えてくださいm(__)m
※守矢正さんが書いた泉食堂の記事はこちらです。『タイムとラベル いずみ屋』
テンホウの開業当時と思われるマッチも出てきました!
実は、この原稿を最終確認で大石壮太郎社長にお見せしたら…「あっ、うちにもマッチありますよ!」と笑顔で持ってきてくれました…。ですので、急きょ差し込みました。
大石社長…もう何十回もお会いしているんですから、もっと早くください(笑)
…そして、こんなパンフレットも出てきました。
昭和50年代の求人広告のパンフレットです。さらには昭和56年頃のメニューの一例も!
大石社長…良いのあるじゃないですか! でも切りが無いので(笑)続きましては、お待ちかね〜オススメのメニューのご紹介です!
コスパ最強! 毎日食べても飽きないメニュー
テンホウのぎょうざ280円(税込)、醤油ラーメン410円(税込)、タンメン560円(税込)など、店内にはロープライスのメニューが並びます。期間限定や店舗限定を含めますとその数はおよそ50種類! メニューを見るだけでワクワクします。
こちらは、テンホウ福島店(諏訪)の一例です。
その中でも僕の一番のオススメは、ほとんどのお客さんが頼むという餃子でしょう! 創業者の百代さんから「絶対に変えてはいけないよ…」と言われている秘伝の味です。
僕がよく頼むのは、二人前の餃子が楽しめる『ぎょうざ定食』です!
厳選されたキャベツや豚肉などの具と、6種類の香辛料(八角、フェンネル、シナモンなど)を0.8mmの薄皮で包み、外はカリッと、中はジューシーに焼き上げた餃子です。
まずは具材に味付けがしてあるので、何もつけずに頂きます。
一口食べると、口いっぱいに香辛料の香りが広がります。う〜ん!この香り!「ただいま〜テンホウ!」っていう感じです! シャキシャキとした歯ごたえのあるキャベツの甘みと、豚肉の旨味がマッチして美味しい!
初めて食べた時は、独特な香りがするなと思ったのですが…今じゃ他の餃子では物足りなさを感じます。この香りが食欲をそそるんですね!
僕は色んな料理と餃子を一緒に食べたい派なので、餃子1個の大きさが大きすぎず、皮が薄いのも良いところ。ペロッといけちゃいますよ。
実はこの餃子を、もっと美味しく食べる方法があるんです!
餃子の旨味が増す魔法の酢
それがこちら! ジャ〜ン!
テンホウオリジナルの『餃子専用のお酢』です!
香辛料の香りが強い餃子をより一層美味しくするために、長野県上伊那に工場がある酢の専門メーカー『内堀醸造』とコラボしました。
一見、黒酢に見えますが米酢です。米から甘味と旨味を引き出す過程で色が濃くなるそうです。米酢特有のツンとした刺激はなく、芳醇な香りでまろやかな味に仕上がっています。餃子と合わせることで、お互いの香りを引き立たせ、深みのある味わいになるんです。
ちなみに大石社長は、餃子にしっかりと味がついているので、このお酢だけで食べるそうです。
「餃子を食べる時は辛味が欲しいなぁ〜」という人には、テンホウ特製の豆板醤をつけて食べるのもオススメです。
ただ辛いだけじゃなく、餃子やラーメンに合うようにつくられたコクと旨味のある豆板醤です。味の変化を楽しめますよ。
こんな魅力的な餃子が、なんと半額で食べられる日があるんです!
焼き餃子が140円(税込)、冷凍生餃子は120円(税込)ですよ。安さにビックリします!
子どもにも人気!『辛くない』タンタンメン
僕がもう一品オススメしたいのは『肉揚げタンタンメン』です。
初めてテンホウでタンタンメンを食べた時、辛くなくてビックリしました。3世代のお客さんが多いテンホウでは、ピーナツは使用せず、栄養素の高いゴマをメインにつくったタンタンメンを、「お子様でもお召し上がりいただけるように」と辛さを少なくしたそうです。
他ではあまりない、ゴマでつくった濃厚スープは深みがあって美味しいです。やや縮れた細麺との相性は抜群ですよ。
僕はこのタンタンメンに出会うまで、辛いタンタンメンを食べて「辛っ〜い!」って汗を拭くのが好きでしたが…最近では、濃厚な旨味スープを味わいながら食べるタンタンメンも良いな〜と思っています!
辛さが足りないな〜という人は、卓上の豆板醤やラー油をちょい足ししてくださいね。
そして外せないのが、ドンブリの中央に鎮座する『肉揚げ』。
注文毎に揚げられる豚ロースの唐揚げはサックサクでジューシー、時間が経つとスープと絡んで違った美味しさを楽しめます。僕はスープに浸った肉揚げをご飯にのせて食べるのが好きです。美味いっすよ! 思い出したらお腹が空いてきました(笑)
そしてなんと人気のタンタンメンも、月に1回お安くなる日があるんですよ。140円引き! 嬉しい企画です。
こんなサービスも!三世代家族で訪れたお客さんには300円のお食事券が進呈されます!
世代を超えて愛されるテンホウの魅力は、まだまだ語り切れません。
テンホウに通えば通うほど見えてくるのは、訪れるお客さんの笑顔です。
テンホウは家族を繋ぐ場であったり、仲間が幼少期の思い出を語る場だったり…地元の人たちの心にしっかりと根付いています。
神奈川生まれの僕にとっては、そのような共通言語で語れるお店がありません。なんだか羨ましいです。
もっともっとテンホウのことが知りたくなりました!
次回は、年間200万食のラーメン、餃子をつくる工場に潜入取材!安ウマで提供できる秘密を探ります!
みんなのテンホウ WEBサイト
https://tenhoo.jp/
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のだオバさん。放送作家。夢で「諏訪大社に行け!」と言われたのを真に受け、長野県茅野市に移住^_^余所者の目線を通して、諏訪・八ヶ岳エリアの魅力を発信!花好きから「あいつオジさんのくせに、オバさんっぽいな」と言われ『のだオバさん』に…。天然の妻・フリーアナウンサー谷岡恵里子は相当ヤバい(笑) |