長野県諏訪市中洲にある 田毎庵(たごとあん)は、厳選された素材からつくるつゆと細打ちのそばのバランスが評判のおそば屋さんです。
諏訪ICから車で10分程、長野県道487号諏訪湖四賀線(サンリッツロード)から少し入っていくと
「日本一ちっぽけなそば処 田毎庵」の看板が。「日本一ちっぽけ」なのに駐車場は広々、30台停まれます。
田毎庵の「野菜天せいろ(花)」
さて、今回注文したのは「野菜天せいろ(花)」1,370円(税抜)。
そばに野菜の天ぷら、きゅうりの浅漬け、うずらの卵、揚げそばがきのくるみ味噌のせ。
天ぷら、揚げたてサクッサクです!! うずらの卵が付いているの珍しい気が…終盤でつゆに投入しましたが美味でした◎
国産そば粉を使い、八ヶ岳から湧く水で打ったおそば。細打ちで繊細な味わい。
だしの効いたつゆに絡めて食べるとまた絶品です!
“こだわり”を当たり前に続ける
全国の9割以上のそば店が削ったかつお節を仕入れている中、田毎庵では削る前の枯れ節を仕入れ、自店で蒸し、削る、という工程を経てだしを引いています。
「自分が納得いくまでの追求は、自分にとっては当たり前の行動です」と話すのは田毎庵店主の田中泰章さん。
田毎庵は田中さんのご両親が始めたお店。田中さんは当初東京の出版社で働いており、実家に帰るつもりは全くなかったと言います。
田中さん:親が説得しに来てね。しょうがなく帰ったけど、しばらくは『なんでこんな店でこんなことやってるんだろ』って思っていました。何もわからないまま、ただ言われたことをこなす日々だったけど、お客様に『おたくはつゆがおいしいねぇ』って言ってもらえたことがあって。もしかして、うちで当たり前にやっていることは当たり前じゃないのかもしれないって思い始めたんです。
枯れ節を仕入れ、自店で節を削るという“当たり前”の行動が、田毎庵の“強み”に変わった瞬間でした。
田毎庵のだしで使う素材は、かつお・宗田がつお・さばの3種類。その全てを、削られる前の枯れ節で仕入れています。素材をひとつひとつ自分の目で確認し、自店のバランスに合うものを選別しているとのこと。その後田中さんは本格的にだしの勉強をはじめ、だしソムリエ1級も取得しました。自らかつお節の産地に赴くなど探究を続けています。
田中さん:こだわりというのは、他人の評価をあてにした行動のことではないと思っています。自分が当たり前に追求しているものを、他人が見て『こだわってるなあ』と思ったらそれが“こだわり”になる。うちにこだわりがあるかどうかは、お客様が決めることです。僕たちはただ当たり前に、日々の追求を続けていきます。
ちなみに「日本一ちっぽけなそば処」という店名は、初心を忘れることなく、常に高い志を持つ続けるという田毎庵の理念を表しています。
常に高い志を持ち、おいしさへの追求を当たり前に続ける、まさに“こだわり”のおそば屋さんです。
*2021年、店舗横に猫グッズ専門店『猫蔵館』がオープン!