☑️ガネーシャは仏教に取り入れられた!!
☑️聖天さまの大恋愛の物語
☑️どんな願いも叶える仏さま
最強にして究極のご利益『大聖歓喜天』しょうてんさまのお話し
2008年テレビドラマになりました『夢をかなえるゾウ』
なんとなく覚えている方もいるのではないでしょうか?
あのドラマに出くる象の頭をした『ガネーシャ』という神さまをご存知ですか。そのガネーシャは仏教の仏さまでもあるんですよ!
ヒンドゥー教の神であったガネーシャは仏さまに帰依をして仏教に取り入れられます。
その名は『大聖歓喜天~だいしょうかんぎてん~』通称『聖天さま』です。
聖天さまは『密教最後の方便』といわれる仏さまで、この仏さまに願い事をして叶わないことは無いといわれる方。しかし、気性は荒く至心に(こころから)拝まなければ、かえって災いをもたらすとまで言われています。
私が住職を務める仏法紹隆寺でも、聖天さまは祀られております。
大恋愛の物語
お姿も独特で、象の頭を持ち、人間の体をもつ男神と女神が抱き合いよろこびあう姿となっています。これは、聖天さまの説話に由来します。
暴悪の限りを尽くす聖天さま。すさまじい力で暴れまわっていた時、ある美女に恋をします。その美女は聖天さまの心を受け入れません。
しかし、ある時、美女は言います。
「仏教を守護する仏となり、信じる者たちの願いを叶えるために一所懸命に働くのであれば、私はあなたのものになります・・・」と。
実は、その美女は聖天さまの悪事をみかねた観音様だったのです。
そして、聖天さまは今までのすさまじい力を人々の願いを叶えることに使う、密教最強の現世利益の仏さまとなりました。
そして、そのお姿が象の頭をし、人間の体をした男女の聖天さまが抱き合い、歓喜(心からよろこぶ)する姿となっているのです。
秘仏のため写真は出せませんが…
拝み方も独特
聖天さまのお供えや拝み方も独特です。
最極秘の法となっていますので、詳しくは書けませんが、聖天さまの説話に沿ったお供え物をします。聖天さまは大根に似た食べ物を食べ、ソーマ酒というお酒を飲み、お団というお菓子を食べ(その他諸々・・・)あぶらを全身に浴びて人々の願いを叶えに行ったといわれ、大根、日本酒、清浄歓喜団(日本最初のお菓子)などをお供えして、お像にあぶらをかけて拝みます。
拝むお坊さんも必死です。精進潔斎し、世の中の不浄から離れ、真夜中からご祈祷が始まります。仏法紹隆寺では、午前2時、午前10時、午後4時の三回拝み、食べ物は聖天さまと同じもの。聖天さまのオサガリをいただきます。そして、お寺なのに供養事は一切せず、ご祈祷のみ行います。その間、お寺からも出ません。
そんなご祈祷を一週間。昨年は4キロほどやせました。これも功徳の一つでしょうか。
ご利益は七福即生
ご祈祷を続ける事一週間。そのご祈祷を終えると、信者さんにご祈祷札をお渡しします。一枚一枚、願主(願った人の名)を書き、七つの福がすぐにやってきますようにと祈りを込めます。
仏法紹隆寺の聖天さまの七福は
・「増財和楽の福」財産が増え、喜びがやってくる
・「良縁成就の福」よい縁に恵まれる
・「子孫繁栄の福」一族が繁栄する
・「知恵の福」知恵がいただける
・「除病の福」病気を避けることができる
・「商売繁盛の福」仕事に恵まれる
・「敬愛の福」人々から敬い愛される
といわれています。欲望のほとんどが叶ってしまいそうです。
さて、そんな聖天さま。昨今のコロナ禍の退散のために、4月26日、一日三座の祈りを捧げました。
「除病の福」が皆様に訪れますようにと。
現在、期間限定で「疫病退散」の御朱印もお書きしています。
この御朱印のハンコは「丸に梶の葉」そう、諏訪高島藩主の紋です。
実は、仏法紹隆寺の聖天さまのご祈祷は、諏訪のお殿様のご祈祷でもあったのです。
お殿様と聖天さまのお話しは次回に・・・
次回『あの人も祈っていた!? 諏訪と聖天さま』です。
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ライター紹介 岩崎宥全諏訪生まれ。中学卒業後に諏訪を離れ高野山にて修行をしておりました。 |