こんにちは、ライターの文月です。
今回は、JR富士見駅から歩いて10分のところにある菓子工房『ル・キャトル・セゾン』(以下「キャトルセゾン」)をご紹介します。
あたたかい菓子工房
住宅地の中にある道を歩いて行くと、焼き菓子のいい香りがしてきます。
駅の方向を背にして進むと、右手側に見えてくるのが菓子工房「キャトルセゾン」。
実は、私は小学生の頃、キャトルセゾンの隣の家で暮らしていました。
店主の名取京子さんがひとりでこのお店をはじめると聞いて、用事もないのに遊びに行っては、焼き菓子を試食させてもらっていました。
「ビスコッティ」をがりがりと齧りながら、窓際にあった席で宿題をさせてもらっていたことをよく覚えています。
そんなはた迷惑な私を、いつも笑って迎えてくれていた名取さんのおおらかさは今も健在、むしろパワーアップしていて、今では何人ものスタッフの方が明るく出迎えてくれる、賑やかなお店になりました。
リヤカーの移動販売からはじまった「キャトルセゾン」
添乗員として働いていた名取さんは、海外の行く先々で出会う美味しいものに魅了されます。ヨーロッパへ留学することを決め、フランスを経て、ロンドンへ。現地でお菓子づくりを学びます。
帰国してからは北海道に住み、作ったお菓子をリヤカーに乗せて販売を始めました。
実は、キャトルセゾンが始まった場所は富士見ではなく、北海道でした。
それから故郷である富士見町に戻り、自宅の一部を改装して今の店舗になりました。
お菓子作りに使用している食材のほとんどは農家さんから直接仕入れているもの。長野県産のものが一番多いけれど、良いものがあると聞けば遠くまで直接足を運ぶことも。
「農家さんとのやりとりが本当に楽しくて、食材を加工するのが大好き」と名取さんはうれしそうに話します。
昨今の自然災害で一般流通が難しくなってしまった果物を農家さんから買い取って、コンポートやジャムにしてお菓子にも使用しています。
丹精込めて育てられた素材をなるべく無駄にしたくない、という想いが伝わってきました。
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店内では、隣の工房で焼かれた「サンテリア」のパンも購入することができます。
こちらも大変人気があり、オープンするとすぐに何種類ものパンが売り切れていました。
旬の食材を贅沢に使ったスイーツ
私は「いちじくのタルト」と「バナナチーズタルト」そして「粗塩クッキー」をテイクアウトしました。自宅に戻って大切にいただきます。
今が旬のいちじくが贅沢に使われています。とろとろのいちじくとカスタードクリーム、そしてサクサクのタルト生地! この時期ならではの味わいを堪能できます。
バナナが主張しすぎずに、チーズの風味とほどよく混ざり合って奥深さが生まれる上品なケーキです。上に乗っている「キャトルセゾンのクリーム」が私は大好きです。
粗塩クッキーはお土産にして、友達と一緒に食べました。
これからの時期は栗のお菓子や、りんごを使ったスイーツがどんどん並びます。
秋が終わったら、クリスマスケーキ、それからいちごの時期がきて、バレンタイン……。
キャトルセゾンは、いつの時期に行っても、旬を織り込んだスイーツをずらりと並べて出迎えてくれます。
豊かな自然に育まれたここ、富士見町の菓子工房では今日もせっせと手作りのケーキや、焼き菓子が作られて、たくさんの人の元に届けられていきます。
季節を感じるスイーツをぜひ、味わってみてください。
ライター紹介:文月1993年 富士見町生まれ。現在は松本市の本屋と銭湯で働いています。 |