諏訪の民話・伝説を巡る旅5
岡谷市東堀 諏訪にあった南朝・宗良親王の御座所と医聖・徳本のお墓

☑️ 室町初期、南朝を率いた宗良親王(むねよししんのう・むねながしんのう)の御座所が柴宮だった
☑️ 江戸初期の名医、永田徳本先生のお墓と、渡辺家の「岡谷の三大臣」
☑️ 気になる「土曜日だけ開店」のパン屋さん

寒い日が続きますが、今年も諏訪の民話や伝説の場所を、ぼちぼち訪ねて歩こうと思っている河西です。
今回は岡谷の長地東堀地区を、「東堀区史」を紐解きながらテクテクしていきます。

室町初期、南朝を率いた宗良親王の御座所が柴宮だった

まずは、東堀の県道下辰線、昔の「伊那道」沿いにある長地柴宮からスタートです。 県道沿いに、地図板があります。

今回歩くのは緑の線で囲まれた辺り。
岡谷市でもかなり紹介されているので、ご存じの方も多いのでは。

鬱蒼とした杜に囲まれた柴宮。境内に入ると、ギョッとするほど様々な碑と御柱が立っています。


道祖神、庚申碑、養蚕神など、かなりの碑の数です。中でも目を引くのが 「宗良親王御旧蹟地」の碑。

柴宮は現在、正式には正八幡宮といい、祭神は誉田別尊(ほんだわけのみこと、応神天皇)だそうです。古くは宗良親王(むねよししんのう・むねながしんのう)を祭神に合祀したといわれる、と東堀区史にあります。

宗良親王は鎌倉時代末期~南北朝時代の皇族。後醍醐天皇の皇子で南朝の征夷大将軍となった方です。南朝の大将軍が滞在する御座所が、この地にも置かれていたのですね!!  南朝は今からざっと600年ちょっと前、室町時代に北朝に統一されて消えてしまいましたが、特に南信州で諏訪氏がお仕えしたのが、宗良親王でした。

長くなるのでこの辺にしますが、南信各地に宗良親王に関わる史蹟が残されています。興味深いですね。
優れた歌人でもあり、こんな歌を諏訪で詠まれています。
「すはの海や 神の誓の如何なれば 秋さえ月の氷しくらむ」

本殿。拝殿の破風や大幕に、十六弁の菊紋章(天皇家に使われるもの)が使用されているそうです。


宗良親王との関係の深さを偲ぶものだと、区史に書かれています。
出水舎にも!

おまけですが、諏訪には「諏訪社」と 「正八幡宮」が多いのはなんでだろう?  と思っていたら、武田氏が領有したころ、この2社以外の神を祀ることを禁じたそうです。 それで、柴宮は八幡宮として、取り壊しの難を免れたのですね。

江戸初期の名医、永田徳本先生のお墓は薬として削られてボロボロに

さて、柴宮から南へ、諏訪湖の方に向かって歩いていきます。数100メートル歩くと、墓地が見えてきました。


「尼堂墓地」(あまんどうぼち)。
宗良親王に仕えた女官が尼になって、親王の菩提を弔ったお堂のあった場所と伝えられるそうです。

東堀地区の先祖を祀る大きな墓地。
この中に、大変変わったお墓があります。江戸初期の名医、永田徳本先生のお墓です。様々な逸話が残っているそうです。


前面に「寛永七年二月十四日」とあるそうなので、1630年。今から400年ほど前ですね。 名医だったので、亡くなってもなお 「墓石の粉を煎じて飲むと、おこり(熱の出る病気)が治る」という言い伝えがあって、村人が粉にして持ち帰ったそう。
中にある小石は、いぼのある人が持ち帰ってこすると治ると言われ、治ったら石を倍にして 返したと区史に書かれています。

腕の良いお医者さんだったんですね。
三河の出身(今の愛知県碧南市)だそうですが、なぜ岡谷に移り住んだのだろう…?

尼堂墓地の道向かいには、岡谷郷土学習館が建っています。
さて、この学習館に展示されている主な資料とは。

岡谷から出た渡辺家の3大臣

郷土学習館から案内板にしたがって300メートルほど?小道を歩いていくと、旧渡辺家住宅に着きます。江戸末期、渡辺家は高島藩士の家柄だったそうです。


長男の渡辺千秋は明治43(1910)年に宮内大臣になり、弟の国武は明治25(1892)年に、長野県出身の初めての大臣となったそうです。
国武の養子の千冬は、昭和4(1929)年に司法大臣となりました。

郷土学習館、そして渡辺家住宅には、そんな「東堀の誇り」、渡辺家の三大臣にまつわる様々な物が展示されています。果たしてどんな家系だったのでしょうか?! ここには書ききれないので、ぜひ現地に見に行ってみてください。

東堀すごい!!(語彙が少なくて申し訳ありません)
渡辺家住宅は、春までお休みです。外から住宅を眺めることはできます。

因みにこの渡辺家の親戚に、渡辺忠雄という方がいました。後の日本を誇る名指揮者、渡辺暁雄 の父となり、下諏訪の北欧音楽祭へつながっていくという、「もう1つの渡辺家の物語」があります。こちらはまた、いつか。

気になる「土曜日だけ開店」のパン屋さん

わすが1kmくらいの東堀のお散歩で、600年ちょっと前くらいの南北朝から100年ほど前の 昭和初期まで歩いてしまいました。
最後は令和のパン屋さんでお買い物。

長地のスーパー「オギノ」の近くにある、「パン遊舎 pono-pono」さんです。


アレルギーを持つお子さんにも食べてもらいたいと、卵、牛乳、乳製品を使わずに丁寧にパ ンを作られています。

右側がオーナーの大澤さん。


お店に「家族に乾杯」の鶴瓶さんも訪れたことがあるそう✨

買ってきたチョコチップパンをおやつに頂いたら、モチモチでめちゃくちゃ美味でした! キメが細かい! リピーターになります。
>ホームページはこちらです。

岡谷って、実は昔から、結構重要な場所だったのでは……と改めて思ったお散歩でした。

ライター紹介:河西 美奈子

司書でスワんこプロジェクト(諏訪の文化を伝える紙芝居を作るグループ)リーダー。星と落語・講談が好きで、最近古道散歩にハマっています。
諏訪にはもっとディープな人が多いので、まだまだ序の口。
https://www.facebook.com/SwancoProject

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