諏訪の民話・伝説を巡る旅7
どこまで「諏訪」だったのだろう? 有賀峠の伝説と辰野町・沢底

☑️ 有賀峠の伝説と、諏訪と伊那
☑️ 福寿草を楽しみながら日本最古の道祖神に出会う
☑️ 中沢新一「精霊の王」で取り上げられた鎮大神社

春、真っ先に思い出す花は何でしょうか? 私は福寿草です。
以前から何年も、ずっと気になっていたのが長野県上伊那郡辰野町沢底の「福寿草祭」。

沢底、と書いて「さそこ」とも読むようです。郵便番号の案内では「さわそこ」と出てきます。
例年2月の下旬に行われる福寿草祭ですが、残念ながら今年は中止。でも、暖かい日だったので花を見に行ってみよう! と出かけました。

有賀峠の伝説と、諏訪と伊那

古くから、諏訪と伊那には深いつながりがあったようです。

諏訪大社上社では、神使(おこう)と呼ばれる一行が、前宮近くの「峰の湛」と呼ばれる場所から伊那などの地方を回って神事を行っていたそうです。

峰の湛

沢底は、神使(おこう)の一行が伊那側を回る上で大事な場所だったそうです。詳しくはぜひ、諏訪大社の関係の資料などを読んでみてください。

今回の旅で参考にさせていただいた資料はこの3冊。

表紙を写しているのは、信州わくわくフットパス07号「道祖神がたたずむ山里を歩く  ~福寿草の里  信州沢底~」です。編集の方に許可をいただいて掲載しています。すごく参考になる本です! 諏訪書店さんなどで購入できます。

このシリーズ、諏訪地方だけでなく、伊那や木曽、東北信地区など40作ほどあります。
ページを開くと、歩きたくなるような地図が載っています。今回、歩いてみた場所をマーキングさせていただきました。

さて、ここから本題。

「諏訪のむかし話」(竹村良信著)の中に、「大門峠の境と有賀峠の境」というお話があります。

その昔、諏訪と小諸の殿様が一番鶏(夜明け方に最初に泣く鶏のこと)が鳴いたら出発して、出会ったところを大門峠の境にすると話し合って決めました。諏訪の殿様はその日寝坊したため、佐久との境はぐっと諏訪方面に入り込んでしまったそうです。

次に諏訪と高遠の殿様が、同じようにして有賀峠の境を決めることになりました。諏訪の殿様は今度は、一番鶏が鳴いたらすぐ駆け出して、伊那の方に深く入ったところで高遠の殿様と出会い、そこまでが諏訪になったということです。

現在、国土地理院の地図を確認すると、諏訪市と辰野町の境には一部境界線が引かれていない所があります。なかなかミステリアスな地域ですね。
前述のように、関わりの深い地域ではあったのだろうと思うばかりです。

諏訪市史に、江戸時代などに諏訪と伊那の境を巡るいさかいが何度かあったことが記されています。私は「諏訪のむかし話」以外に、境決めの伝説を見つけることができませんでした。
もしご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたいです。

諏訪の殿様と高遠の殿様が出会ったのは、どこだったのでしょうね😄

福寿草を楽しみながら日本最古の道祖神に出会う

福寿草の咲く場所をお伺いしようと、まずは地区のふれあいセンターへ。

いろいろとお土産を売っていました。

おいしそうなお土産は…後にして、福寿草の咲く場所などをお伺いしました。
日本で最古の道祖神があると聞き、先ずは道祖神参り。

「永正二年」(1505年)の銘が刻まれています。室町、戦国時代。この地域ではどんな時代だったのでしょうか。

ここから見る沢底の集落です。

昔の人は徒歩で有賀峠を超え、この景色に出会っていたのかと、思いを馳せました。

ぶらぶらと沢底地区を歩くと、かわいらしい福寿草が迎えてくれます。

私の住む岡谷から30分くらいの近い場所なのに、別の時代に迷い込むような、静謐な景色がありました。

これは「わらにお」と言うそうです。

道の端々に、道祖神、庚申碑など様々な石碑が立っていて、集落の歴史を感じます。福寿草と共に、探して歩くのが楽しみでした。

中沢新一「精霊の王」で取り上げられた鎮大神社

ふれあいセンターで、「精霊の王」という本で取り上げられて、著者の中沢新一さんや坂本龍一さんも訪れた神社があるよ! とお聞きし、やってきました「鎮大神社」。

畑の中を参道が突っ切っているようです。

お手水の口は龍神さま。

鳥居をくぐると、小さなお社が並ぶ後ろに、拝殿が見えてきました。

拝殿に向かって左側の2社。

左が「精霊の王」で取り上げられている「社宮司社」。右が「諏訪社」。しっかりと鍵がかかっていました。
本の中で御神体について触れられているので、気になる方はぜひ読んでみてください!

右側は4社。

「八王子社」「神明社」などと書かれています。こちらは扉が開いているものがありました。
この違いはなんだろう??

鎮大神社には、まだまだ古の信仰につながる興味深いものがあるようです。振り返りたくなるような、惹かれる空間でした。

帰り道にも、福寿草がほっこりと。

マンホールのふたは福寿草とホタル。

最後に、ふれあいセンターでおいしそうな手作りの野沢菜漬けとたくあん、お饅頭を買って。ふきのとうは天ぷらに。お漬物がいい塩梅でした🍚

一足早く、 春を感じたお散歩でした🌸

ライター紹介:河西 美奈子

司書でスワんこプロジェクト(諏訪の文化を伝える紙芝居を作るグループ)リーダー。星と落語・講談が好きで、最近古道散歩にハマっています。
諏訪にはもっとディープな人が多いので、まだまだ序の口。
https://www.facebook.com/SwancoProject

関連記事

諏訪の民話・伝説を巡る旅まとめ
諏訪の民話・伝説を巡る旅まとめ
長野県諏訪地域には、古くから伝わる民話・伝説が多く存在します。 「諏訪の民話・伝説を巡る旅」では、諏訪地域に伝わる民話・伝説と、それにまつわる場所をご紹介。司書でスワんこプロジェクト(諏訪の文化を伝 … 続きを読む
       

日付の近いイベント