2022年は御柱年。7年ごと、寅と申の年に行われる「式年造営御柱大祭(しきねんぞうえいみはしらたいさい)」の年にあたります。
諏訪大社最大の神事を前に、長野県諏訪市の公共スペース駅前交流テラスすわっチャオでは、活き活きオンライン講座 「御柱と諏訪信仰」と題して、御柱と諏訪信仰に関する講座を公開しており、地域の歴史好き・お祭り好きのあいだで話題となっています。
諏訪市公式You Tube チャンネル上にアップされた講座のオイシイトコロを、新米移住者ライター・石田がレポートいたします!
軽快なBGMに乗って……サテライト講義的オープニング!?
さて、さっそく動画を再生させてみます。
流れ出す軽快なオープニング曲に乗ってまずご挨拶されるのは、髙見俊樹さん。考古学や歴史学に根ざして諏訪地域の歴史をひもとく、大昔調査会の理事長さんです。
いわゆる、予備校のサテライト講義的な番組かと思いきや、“知ったかぶりのシニア解説員”を自称する髙見さんが、アシスタントを務める地元ケーブルテレビご所属の田中高代さんを“諏訪を知りたいあざとカワイイアシスタント”と紹介するなど、クスリとしちゃうオープニングトークが展開されます。
第一回の講師は、小林純子先生。諏訪市のお隣、長野県岡谷市のご出身で、諏訪市博物館の館長も経験された歴史研究者。現在は、諏訪市役所生涯学習課 課長さんです。
第一回は、入門編として諏訪信仰の概要を解説し、御柱についてはQ&A形式で進みました。
様々な側面をもつ、諏訪信仰の不思議に触れる
まずは諏訪信仰について。諏訪信仰といっても様々な側面があり、諏訪の風土に育まれたそれらをまとめて「諏訪信仰」と言っているんですね。
諏訪湖の御神渡りや守屋山を例に、自然を神様とみる信仰について触れていきます。
自然科学の発達する以前の大昔の人たちが自然結氷した湖面がせり上がる大轟音を深夜に聞いたら……翌朝、諏訪湖上を横断するように氷の道筋が出来たのを目にしたら……。
それを、人間ではない存在の御業だ!と信仰の対象にするのも、頷けます。
今は気軽に登ることも可能な守屋山ですが、「御山(おやま)」と呼んで、山自体を神様と考えていた、という説もあるのだとか!
そう考えると今ある自然を大事にしていきたいなぁという気持ちも、一層高まりますね。
途中、諏訪明神を体現する人格神「大祝(おおほうり)」のことを紹介するくだりでは、アシスタント田中さんのご家系が五官祝(ごかんほうり)という神職の血筋にあたるといったやりとりもありました。またしても髙見さんに「あざといですねぇ」とコメントされ、笑いを提供していました。
狩猟の神様であり、戦の神様でもあった諏訪の神様。なんと多様な神様なんでしょう。知れば知るほど不思議が深まる、といったところでしょうか。
教えて!諏訪の御柱。御柱豆知識を楽しく学ぶ
後半は、御柱(おんばしら)についてQ&A形式で学びます。
みなさんご存じといった知識もありますが、移住してきた私にとっては「そうだったの!?」の連続です。
なぜ4本の柱なのか、御柱はいつから始まったものなのか、そんな疑問に小林先生が回答していきます。
実は、御柱年には大社4社の柱を新しくするだけでなく、地区の氏神様や、ご家族で護られている社の柱も建て直します。
たしかに諏訪市に住んでいると、まちかどにある小さな祠にも柱が建っています。その1本1本を夏から秋ごろにかけて、それぞれの地域で引き建てていくんですね。
御柱祭はいつから始まったのでしょう。
鎌倉時代に始まったという説もあれば、室町時代に成立した「諏方大明神画詞」には、桓武天皇の時代、平安初期の時代から始まったという記述があったり、縄文時代からあったのでは!? といった説もあるという御柱祭。
なぜ柱を建てるのかも、謎に包まれたまま、時代時代で諸説あるのです。
先生は「その時代の人たちの考え方に触れられるという意味で、『●●時代の人たちはこう考えていたんだなぁ』と考えられるのが面白いところです」と仰っておられて、なるほどなあ、と。
諏訪地域は歴史が古いから、研究してもしても、尽きることがないだろうなぁ、と思いました。
次回は、信州大学の副学長様が登場。あれは、アロハシャツ?
次回が楽しみになったところで、第二回「古絵図にみる 諏訪社の歴史と景観」について調べてみます。古い絵図を見ながら諏訪社の歴史的景観の変遷について考える回。
講師は信州大学教授で、2015年から副学長でもいらっしゃる方です。
駅前交流テラスすわっチャオのスタッフでもある筆者は、収録日に番組関係者をご案内したのですが、渡邉先生のプロフィール写真と実物とのギャップに内心びっくりしました。
講師、渡邉匡一(わたなべきょういち)先生のアロハ姿にもご注目の、次回の配信は7月23日。どうぞ、そちらもお楽しみに!
URL:https://www.city.suwa.lg.jp/soshiki/30/40989.html
ライター:石田 名保子40代、ワーママ、一児の母。自然豊かな環境と都市の便利さが絶妙に交じり合う、諏訪市に魅力を感じて家族で移住してきました。 |