【諏訪の地酒と季節のつまみ】
豊島屋「豊香」ときのこ汁。

八ヶ岳には雪が降り、めっきり寒くなってきましたね。

今回の【諏訪の地酒と季節のつまみ】では、長野県岡谷市の酒造・豊島屋さんの「純米吟醸 豊香(ほうか)」を熱々のきのこ汁といただきます。名前の通り、ふわ〜っと香りが広がる豊香と、旨味たっぷりのきのこ汁。
豊島屋さんが大切にされている「地酒」への想いも伺いました。

創業153年「シルクのまち 岡谷」に創立した豊島屋。

株式会社豊島屋は慶応3(1867)年創業。今から153年前に初代・林新一郎氏が、当時シルク産業で栄えていた岡谷市で生糸の販売会社として創設しました。その後醤油や食塩、石油類の販売も始め、明治24(1889)年に清酒醸造部門を増設。
今でも清酒部門、石油部門、住宅機器部門、保険代理店と多岐にわたる事業を展開されています。

神渡

神渡蔵元 豊島屋

株式会社豊島屋

コンクリートで覆われた外観からは予想できない建物内の様子。一部は明治・大正時代の建物が残っています。

株式会社豊島屋

諏訪大社と松尾大社の掛け軸。松尾大明神は日本のお酒の神様です。

株式会社豊島屋

麹。待機中です。かわいい。

株式会社豊島屋

蔵見学者のために解説ボードが用意されています。

長野県産米にこだわり。風土の魅力を伝える酒造り。

お話を伺ったのは、株式会社豊島屋常務取締役の林慎太郎さん。酒造部門の責任者です。

株式会社豊島屋

気さくなお人柄で人望の厚い林さん。ちなみにラーメンチェーン「みんなのテンホウ」の大石社長とは同級生だとか。

ーー豊島屋のお酒の特徴はなんでしょうか。

「笑顔のみえるこだわりの地酒」をテーマに、杜氏を中心に蔵人たちが一丸となって丹精を込めて醸しています。
代表ブランドは諏訪湖の全面氷結から起こる自然現象、御神渡(おみわたり)から命名された「神渡」ですが、20年ほど前に特約店限定流通ブランドとして「豊香(ほうか)」を立ち上げました。すべて長野県産米を使用し、山田錦、金紋錦、たかね錦、山恵錦、美山錦、ひとごこち、しらかば錦、ヨネシロ他7品種以上の酒米を商品の特性にあわせて使い分けています。長野県酒造好適米をすべて使用している蔵は県内唯一です。

水源は信州百名山の一つ、岡谷から塩尻にかけて広がる鉢伏山(はちぶせやま)の伏流水。豊かな自然の恵である米、水を使い、諏訪の厳しい寒さの中で醸した日本酒です。

ーー長野県産米にこだわる理由は?

豊島屋では“テロワール ”を大切にした酒造りをしています。テロワールは主にワインで使われる言葉ですが、日本酒では酒米が育つ土壌や気候、その土地が持つ個性、風土などを指します。

豊島屋で使用する米の9割が長野県内の農家の契約栽培なのですが、毎年田んぼに訪れ、その年の気候や特徴、米の個性などを聞くようにしています。酒造りに活かすためでもありますが、原料を作っている方と顔の見える関係であることが大切だと思っていて。一次産業を大切にしたい。農家さんとお話しするたびに、土に触れる仕事の尊さを感じます。

土地のものを使って、土地の風土を感じられるお酒、そしてその土地で愛されるお酒が「地酒」だと思っています。10月21日発売の「神渡しぼりたて新酒 諏訪乃あらばしり」は長野県内限定で販売しています。今年最初にできたしぼりたてのお酒を、まずは信州で味わっていただきたい。お酒を通して地元の風土を伝えられたらうれしいですね。

株式会社豊島屋

中が見えませんが…仕込み中の「諏訪乃あらばしり」。香りだけでほろ酔い気分に!

ーー今の時期におすすめのお酒と合わせる料理を教えてください!

「純米吟醸 豊香」をおすすめしたいと思います。ワイングラスのような、フチが広いグラスに注いでみてください。香りを楽しんでいただけたら。合わせるのはきのこ汁。

ーーきのこ汁、ですか。

風味がとても合うんですよ。出汁にきのこと豆腐を入れて、塩か醤油でちょっと味付けして、上にネギを乗せて……

ーーお、おいしそう……。

豊島屋「純米吟醸 豊香」飲んでみた。

ということで、飲んでみました!

日本酒 

純米吟醸 豊香
原料米:長野県木島平村産 金紋錦 精米歩合:59% アルコール分:16度

献立はきのこ汁、カブの葉の漬物、雲丹とメカブの佃煮。

まずは香り。豊香という名前の通り、グラスに注いだ途端にふわあ〜っと甘い香りが漂います。「華やかな香り」と表現して良いと思いますが、個人的にはもっと優しいイメージです。梨のような。

味も優しい、柔らかな酸味と甘み。豊香をちょびっと飲んでからきのこ汁をすすると……くう〜〜〜合う〜〜〜。
正直今までお酒を飲むときに汁物をメインで合わせようと思ったことがなかったんですけど、温かいきのこ汁がお酒の香りと味わいをより深めてくれるというか……好きです。
10月下旬、寒くなってきた時期にぴったりの組み合わせでした。これはぜひ試していただきたい!

豊香のお隣にあるのは「神渡純米吟醸 Petillant(ペティアン)」。フランス料理界の巨匠ジョエル・ロブションを父に持つ、安部ロブション龍依のプロデュースのお酒です。

日本酒

炭酸ガスの気泡が。

もろみ発酵時に生まれる炭酸ガスが残っていて、栓を開けるとプシュッと空気が抜けます。シュワシュワ、まではいかないのですが、独特のぴりぴり感が感じられる一品。
華やかな香りで柔らかい味わい。豊香に比べると酸が強く、キレがあります。パリのミシュラン3つ星レストランでも採用されているとか。

豊島屋のお酒は酒販店のほか、神渡ホームページからも購入できます。
取材時に仕込み中だった「諏訪乃あらばしり」蔵元発送分は予約販売で完売! 長野県内の酒販店などでお買い求めください。

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SPOT INFORMATION

株式会社豊島屋 (神渡 蔵元)

慶應3(1867)年創業。「酒の王・神渡(みわたり)」は厳しい寒さにより諏訪湖面に氷の亀裂が走る現象「御神渡」に由来。
その他、清酒「豊香」「御柱」、本格焼酎「杏花村」、リキュール「きぬごし梅酒」、甘酒「神渡造り酒屋のあまざけ」等、伝統とトレンドを融合した酒造りを続けています。

住所
〒394-0028 長野県岡谷市本町3-9-1
電話番号
0266-23-1123
営業時間
8:30~17:30
定休日
土曜・日曜・祭日
詳細ページ
https://jizake.miwatari.jp/miwatari/

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