☑️ 民話「信濃には神無月がない」に登場する龍神様が尾をかけた木がある!
☑️ 先宮神社には橋がない
☑️ 上諏訪駅近くの断層崖がすごい!
前回、秋宮→大和編①で、島木赤彦が住んだ柿陰山房までやってきました。今回は、さらに先へ進んで上諏訪の手長さまでゴールしたいと思います。
参考にさせて頂いている資料は、引き続きこちら。
民話「信濃には神無月がない」に登場する龍神様が尾をかけた松がある!
柿陰山房から5分くらい、旧甲州街道を進むと、高木村の道中茶屋として旅人の休憩所になっていた「橋本政屋」が見えてきます。
建物の間にある門や、庭の石灯籠、老松などを高島城主から譲り受けていて、殿様との縁が深かったそうだと本にあります。
残念ながら中に入ることはできませんでした。なんでも蔵のこて絵を拝むと、力を借りられるとか……。
橋本政屋の辻を、諏訪湖の方へ少し下ると、こんな看板が。
「尾掛松」! まさに「諏訪の龍神さま」という民話絵本の中で、私が書かせていただいた「信濃には神無月が無い」に登場する木です。伝説の場所が、実在するんですね。
矢印に沿って歩くこと3分。屋根の下に、木の幹が見えます。
伝説によると、諏訪の明神様は龍(蛇)に姿を変えて、10月に出雲で行われる神様の集いに出かけました。
出雲の神様方が「尾はどこに?」と問うと、明神さまは「尾は高木の御掛松に」と答えたそうです。
この言葉が諏訪市の「大和(おわ)」と、「高木」の地名のもととなったと看板に書かれています。
また諏訪の明神さまは大きすぎて10月に出雲まで出かけなくても良いことになり、諏訪は10月も「神在月」となった、という伝説も残っています。
看板の解説によると、この木は松ではなく、樹齢数百年の柏槇(ヒノキ科)だそうです。
お参りを済まし、再び甲州街道をウォーキング。10分ほど歩くと、諏訪湖側に棚田が広がります。
15分ほどで寿量院に到着しました。
徳川家康の六男、松平忠輝公の妾が開基したといわれているそうです。
諏訪に流刑になり、諏訪頼水に預けられた忠輝公は、諏訪市の貞松院にお墓があります。寿量院は貞松院の末寺だそうです。
忠輝公は諏訪の景色に心を慰められることもあったのでしょうか。
先宮神社へ向かってテクテク歩いていくと、立派なケヤキが立っていました。大和で1番古い木だそうです。
この木の近くには、道祖神などか祀られていました。ここは先宮神社の飛び地なのだそうです。なぜ飛び地? また調べてみたいと思います。
さらに進むと、右手にはセイコーエプソン本社が。ここから諏訪の精密業は発展していったのですね。
先宮神社には橋がない
寿量院から15分ほど歩くと、先宮神社が見えてきます。角に道祖神が祀られていて、散策マップがあります。
先宮神社。由緒記に、建御名方神が諏訪にやってきたときに、大和村の産土神は抵抗したが服従し、この地に鎮座して出ることを許されなかったとあります。
故に、この神社には「橋がない」。小川をまたいで入らないといけません。
外に出られないほど畏れられた神様とは、どんな神様だったのでしょう。しっかり手を合わせてお参りしました。
さらに5分ほど進むと、また不思議な雰囲気の神社にたどり着きます。
甲州街道からは少し入ったところにある「児玉石神社」。鳥居の向こうに、大きな石が。
こちらが諏訪7石の1つ、「児玉石」。他に御座石、御沓石、硯石、蛙石、小袋石、亀石があるそうです。一通り回ってみたいですね。
仏像などがなかった時代、昔の人は石や木、山や水に神様を見ていたのだろうと、自然に感じられました。
上諏訪駅近くの断層崖がすごい!
児玉石神社から上諏訪駅に向かうと、甲州街道沿いには温泉寺があります。以前「和泉式部」の伝説の回で紹介させて頂いたので、今回は割愛させていただきます🙏
湯の脇地区のカーブを曲がって駅が近づいてくると、左側に正に断崖絶壁が見えてきます。前から気になっていた階段を、ラストスパート! のつもりで登ってみました。
何段あるんだこれ…💧 横を見ると本当に絶壁。いかにも断層だと感じられます。この下まで諏訪湖だったのでは。
途中にある小さな公園からの眺め。下を見たら怖い😱です。諏訪はこういう場所が多い!
下り。この坂を落ちたら、体が入れ替わるとか?(広島の尾道ではありませんが)
それだけでは済まなそう💧 断層を体感しました。
もうすぐ上諏訪駅。甲州街道五十二里塚跡。昔の人は、一日にどれだけ歩いていたことか……。
ようやく手長さま下に到着しました。今回はここでゴール!
もう書ききれないので、ここから先も、またいつか。
前回と合わせて、民話旅を初めてから最長距離のお散歩でした。片道5キロくらいあったでしょうか。この後、国道20号を下諏訪駅まで歩いて帰りました……。
長いレポートを読んでいただいてありがとうございました。歩くときは、水分補給を忘れずに🧃!
ライター紹介:河西 美奈子司書でスワんこプロジェクト(諏訪の文化を伝える紙芝居を作るグループ)リーダー。星と落語・講談が好きで、最近古道散歩にハマっています。 |